ピロリ菌の除菌治療について

ピロリ菌の除菌は、複数の抗生物質を使った内服治療ですが、対象疾患(早期胃がん内視鏡治療後、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病)の方以外は、保険対象外(自費)となります。

※ヘリコバクター・ピロリ胃炎(内視鏡で慢性の胃炎、萎縮性胃炎が認められた場合)に対しても保険適用となりました。

初回の除菌治療の成功率は約70%で、二次除菌までで95%前後の方は除菌に成功します。(二次除菌とは、初回除菌不成功の場合に再度除菌を行うことです。)

ピロリ菌の除菌薬について

はじめて除菌治療をうける場合(一次除菌)
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①酸を抑える薬(タケキャブという潰瘍治療薬を用います)
②抗生物質2種(アモキシシリン、クラリスロマイシン)
合計3種類のお薬を1日2回、7日間服用していただきます。

 

一度除菌が不成功で、2回目の除菌治療をうける場合(二次除菌)
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①酸を抑える薬(一次除菌と同様タケキャブを用います)
②抗生物質2種(アモキシシリン、メトロニダゾール)
こちらも合計3種類のお薬を1日2回、7日間服用していただきます。

除菌の副作用は?

除菌治療に伴う副作用は2~3割の方にみられる印象です。発生率が高いですが、ほとんどは軽症ですので、できる限り7日間飲みきることが除菌成功率を高めることに重要です。

①もっとも多いのが、便がゆるくなる、下痢をする、というものです。当院では整腸剤を一緒に処方させていただいております。
血便や下血をきたした場合は服薬を中止し、お電話でもかまいませんのでまずご相談ください。

②口が苦く感じることがあります。クラリスロマイシンが唾液中にも分泌されるためですが、体に影響はありませんので、服薬を続けてください。

③お薬のアレルギーによるじんましん、発疹が出た場合は服薬を中止してください 。多くはペニシリンアレルギーのためと考えられます。息苦しい、じんましんがひどい場合は治療が必要となりますので、すぐにご相談ください。

④二次除菌の場合、メトロニダゾール服用によりアルコール代謝が落ち、むかつきやおう吐の原因となりますので、除菌治療中は禁酒していただく必要があります

除菌に成功した後は?

ピロリ菌除菌に成功すると、胃十二指腸潰瘍をくり返していたいた方は、明らかに再発しにくくなります。また、もともとの胃炎の進行度合い(萎縮の度合い)によって異なりますが、胃がんの発生率を下げることができます。

一方で、ピロリ菌除菌に成功すると、胃酸の分泌が本来の状態に回復する、つまり酸が多くなるために、胃痛や胸やけが出現する場合があります。症状が強い場合は酸を抑えるお薬を用います。

ピロリ菌除菌に成功しても、それまでにピロリ菌によって胃に一定の萎縮をきたしていますので、定期的に胃カメラ検査をうけていただきたいと思います。萎縮とは胃がんの下地であり、除菌によって萎縮の進行は抑えられても、萎縮自体は残ってしまうからです。