【エコーで何がわかりますか?】

腹部エコー検査では、主に肝臓、胆のう、すい臓、じん臓、ひ臓を観察することができます。

原則予約制です。

エコー(超音波)では、中が液体か実質で満たされているものがよく観察できます。

逆に気体があると超音波が乱反射してよく見えません。つまり腸は通常よく見えません。

・肝臓については、肝臓の形状(腫れているかどうか、脂肪のつき具合、腫瘍がないかどうか)、血管や胆管の状態、腹水の有無などをチェックします。

・胆のうについては、胆のう壁の肥厚の有無、胆石やポリープの有無などをチェックします。食後にはしぼんで観察できないことがあります。

・すい臓は胃の後ろにあり、肥満の強い人や食後だと観察できないことがあります。膵管の拡張の有無やのう胞、腫瘍の有無などを観察します。

・じん臓は左右にあり、サイズの大小、のう胞や結石、腫瘍の有無、じんうの拡張有無などを観察します。

・ひ臓については腫れの有無をみます。

 

肝臓、肝臓病について

肝臓とは、右腹部にある大きな臓器で、人体に必要な物質やエネルギーを合成、貯蔵したり、不要なものを解毒したりする化学工場のようなところです。
肝臓は「沈黙の臓器」とよばれ、悪くなった場合でも自覚症状が出にくいといわれています。

肝臓の病気には、

  • 急性肝機能障害(アルコール性、ウィルス性、薬剤性など)
  • 慢性肝炎(ウィルス性肝炎、脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変など)
  • 脂肪肝(アルコール性、非アルコール性)
  • 肝腫瘍(肝がん、肝血管腫、肝のう胞など)
  • 肝硬変

などがあげられます。
肝硬変とは、ウィルス性肝炎など肝臓の炎症がかなり長期間続いた場合に、肝臓が硬く変性してしまった状態をいいます。
肝硬変が進むと最終的には肝不全といって、腹水や黄疸などの症状が出現します。そのほか食道静脈瘤や肝細胞がんといった病気もおこりやすくなります。

当院では肝臓の病気の診断、肝臓の状態把握を行い、状態に応じた治療を行います。
肝がんやB型肝炎、自己免疫性肝炎など、病気の内容やその状態によっては、さらなる検査や治療のために、病院を紹介させていただくことがございます。

アルコールも飲まないのに、肝臓の数値が悪いといわれる方もおられると思います。
ウィルスや膠原病の要素がなく「脂肪肝(NAFLD=ナッフルディー)」と言われた場合、
数値が高すぎる(ALT100以上)一部の脂肪肝は「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH=ナッシュ)」といって、
知らないうちに肝硬変、肝がんに移行する「こわい脂肪肝」である場合があります。

健診などで肝臓がわるいと言われた方で、数値が思いのほか悪化している、原因がよくわからないという方は、ぜひ一度ご相談ください。